私のトナリビト 助産師のブログ

途上国の女性のエンパワメントをしたい、と思い助産師に。違いをわかちあい公平な関係を築きながら共生する世界に生きることが夢。キーワード;共生/公平/エンパワメント/女性/SDGs/生と性/環境問題/ethical/国際協力/平和

私が青年海外協力隊を見送った理由

こんにちは。

 

JOCVの応募が始まり1ヶ月が経とうとしている。

私はといえば、今回の応募は見送ることにした。

一番の理由は、本当にやりたいことじゃないから。

 


3年の技術で応募できる、早く現場経験を積みたいけどお金が、時間がないからJOCVへの応募を考えていた。語学の習得もできる。

でも、その1カ国に2年を捧げたいかと聞かれたらそうではなかった。

そもそも途上国にでるという目的は「現地の人の本音を聞くため」である。そこは変わらない。

2年で一つの国と信頼関係をどこまで築けるのかはその人次第である。その国のエキスパートになれるかもしれない。

 


でも、私は同じ2年という月日を

なるべく多くの国へ訪れて、その地域の深いニーズを世界全体の問題とつなげる。

英語で世界の問題を議論できるレベルにもっていく。

自分のやりたいことで持続的に社会貢献をする方法をみつけ、実践する準備ができる。

に、費やしたいと思った。

 


大きな理由は2つある。

 


一つ目は、自国の問題を持続的に解決することは自国がすることであるからである。

兼ねてから国際協力に興味があり、外ばかりに目を向けてきた。

日本の問題には疎くなるばかりであった。

でも、外へ目を向けていると、自国の問題に目を向けざるを得なくなる。

「支援」のあり方を学ぶと、大抵行きつくところは自国の問題は自国で解決すること。

その国や地域の複雑な文化や事情はそこに暮らしているひとたちが一番わかっているのだから、細かい事情を知らない外の人間はヒントは与えられるかもしれないが、解決は自分たちでなきゃできない。

日本にも問題は山積みであり、それを解決できるのは、解決しなければいけないのは紛れもなく日本人である。

国際協力が発揮される場面は例えば、自国だけで議論が煮詰まってしまったら、海外のいい教訓を取り入れる、とか。国が国として成立していなければ、国がスタート地点にたてるようにソフト・ハードの援助をする、とか。どの国も前に進めるように互いの長所や短所を共有していくことが国際協力なのではないだろうか、と思った。

世界を舞台にしたときに、日本の問題はどうなってるの?何か行動はしているの?といわれるのは分かりきっており、知らない、とくになにもしていない、と答えるのは情けないと思った。

 


二つ目は、自分と自分の身の回りを固めて、自らの自立・自律を優先させようと思ったからである。

自分を幸せにできるのは自分だけである。自分の幸せを他人に依存してはいけない。だから、自分を知り、どんなときも健康を維持できるような習慣を確立させる。

長期的な目標だが、価値を生み出し、自らの力で経済的に自立できるように知識の収集と技術の獲得をしていく。

そして、自分の身近な人たちを大切にする。


恥ずかしいことに、心と体を自分で管理できないまま、貯金はギリギリ。

女性のエンパワメントをしたくて助産師になったわけだが、まずは自分が自立・自律して輝いていなければそんなことは不可能である。

このまま跳んでしまっては自らを苦しめる可能性は高く、そして迷惑きわまりないと思った。

これは自分の準備不足であるが、現実なのでそこに向き合うことを優先するのみだと考える。

 


だから、まずは日本に留まり、持続的な健康管理と経済的な自立を確立させていく。

日本の地域や世界の国々に赴き、直接地域の人たちと関わり、なるべく少ないフィルターを通して現状を把握する。日本や世界を捉え直し、問題解決のヒントを得る。

そして、どの問題にどの程度コミットするかを決断し、実行に移していく。

世界規模の情報収集、分析、対等な議論をするためにそのレベルの英語を話せる。


を、向こう3年でやりたいことであると今は思っている。

 

小学生の頃からの夢だったから、正直未練はあるし、また未来の選択肢として捨てたわけではない。必要となった時にチャレンジしようと考えている。

 

大きな方向転換だし、目の前にして怖じけずいたのかといわれるかもしれない。

確かに目の前に迫ったからこそ、本気で本当にいいのか?を考えることにつながった。

募集要項をみるとわくわくするのと同時に、まだ納得しきれないなにかがあった。

今までそれしかないと思っていたけど、ある人に「本当にやりたいことはなに?」と聞かれて、口に出してみたら、見えてきた世界があった。

 

何が正解なんてないし、決断したらあとは進むだけであり、絶対に得るものはある。

でも、違和感を感じたら、なんとか正当化しようとするのではなく、丁寧に向き合うことも必要だと感じた。違和感を感じたまま進むことは難しい。

 

アルベルト・シュヴァイツァーの言葉に「まず考え、それから行動せよ」という言葉がある。

偉い人がいっているし…ではなく、自分の性に合っている。

この1年で学んだことは、国際協力は知らないまま飛び込むことじゃない。準備はしてもしても終わらないと思うけど少なくとも今ではないと感じた。

 

 

憧れだけではなかったけど、憧れていた青年海外協力隊。いつか、そのときがきたら。